2010年11月10日水曜日

おぶせ・こども能 発表!


長野県の小布施町では毎年秋に芸能祭が開催されます。
小布施のこどもたちは、必ずそこに参加して日頃の成果を町の方々に観ていただきます。
今年で50回をむかえる芸能祭は町の方々の文化活動の発表の場です。
途中でご挨拶された市村町長のお話しでは、町の文化協会は終戦の年に設立され、
今年で65周年とのことです。
終戦の混乱期、食べるものも満足にない状況下において、
先人達の努力により現在に至っているそうで・・・。
人間の営みにおいて、文化がライフライン同等に存在していた小布施町には頭が下がります。

こどもたちの発表は上々!
前日のリハーサルまで少し不安が残るところがありましたが、見事に吹き飛ばしてくれました。
見事な協同作業でした。

先のブログでもご紹介いたしましたが、小布施では「お肴謡」(通称:北信流)という
宴席の中締めで行われる盃事の儀式が生活文化として残っています。
そこでは小謡(謡の短い一部分)をお肴に盃を差し上げるため、
こどもたちの普段のお稽古では、小謡を中心にをどんどん覚えていきます。
今年は今まで教わった謡すべてをメドレーで発表しました。
かなりのボリュームなんですが、こどもの記憶力の素晴らしさにはいつも驚かされます。

今年は芸能祭の一週間前に東京の宝生能楽堂でも発表をしました。
全員は参加できませんでしたが、初の能楽堂デビューです。
発表の場はこどもたちに多大なる経験値をもたらし、飛躍の成長を遂げます。
ただし!これには必要不可欠な要素があります。それは・・・
日々の積み重ねに他なりません。
それがあるからこそ、発表という場で花開くことが可能になります。
また、そこには「やる気!」というエッセンスが非常に重要です。

小学6年生から年少さんまで、こどもたちは無意識でしょうが、
互いを思いやり、力を合わせやり遂げました。
この小布施のこどもたちは、とにかく「いい奴ら」なんです。