そして一人っ子が多いですね。
一人っ子の良さは、親が存分に手をかけられることでしょうか。
不景気が続く今、経済的にも助かります。
そんな時代でも多くのお子さんを生み育てている方もいます。
以前ご紹介しましたが、静岡では4人兄弟が参加しています。
年上は年下の手本となるよう、態度で示し、面倒をよく見、
年下は年上の言うことをよく聞いて、手本となる年上をよく見習う。
この兄弟たちは大変シンプルに、このことを無意識の行動で教えてくれます。
これって当たり前のようで、兄弟のいないお子さんにとっては
普段の生活では遭遇しない状況のようです。
また、そういった意識を持たせることを、昔ほどしないのでしょうか。
とても大切なことなのですが、当たり前ではない場面を多々見ることがあります。
みなが平等、優劣をなるべくつけない、といった教育的風潮が、
思わぬところまで影響している気がします。
静岡の四兄弟、下の子が入ってくる毎に、
まず、新入りのすぐ上の子が意識を持つようになりました。
自分が稽古してきた中で、叱られたこと、注意されたこと、
出来ていない(当たり前なのですが)新入りの弟を見てまず、気づく。
「これっていけないんじゃあ?」
「こうしなきゃだめだよな」
そして弟を諌め始める。
「こうしろよ、ああしろよ」
「こうしちゃだめだよ、こうやるんだよ」
あれあれ???
いままで、さんざん自分が先生に言われてきたこと、
メンバー最年長と4人兄弟長男が静岡の二柱 |
自分も出来ているのかもあやしいのに。
と、思って様子を見ていると、
あらあら、どうしちゃったのかしら?びっくり!
上の子は今までにない程、しっかりとして、
稽古を受けているではありませんか。
「前から自分はこうでした」と言わんばかりに。
目をみはるほどの変わり様に、大人は唖然!
4人もいるものですから、
順繰りに、儀式のように、
このようなことが行われてきました。
ここはたまたま4人兄弟が、意識的ではなく、
本能のままに無意識で行動してくれたおかげで、
とてもわかりやす事例を作ってくれました。
こういったことは、決して兄弟でなければできないことではありません。
この好循環を生み出すためには、地道な日々の積み重ねが必要です。
ということは、その循環に支障をきたしていることを感じたら、
それを元に戻すまでに、倍以上の時間と労力を必要とします。
伝統もそうです。
一日やそこらで出来上がったものではなく、
長い年月をかけて精査され、淘汰されてきて残ってきたものです。
そこには必ず意味があります。
せめて自国に残されてきた伝統を知ってほしいと思います。
そして、願わくばそこから大いにを学び、新たな時代を創り出してほしい。
謡隊だけではなく、日本のすべての子どもたちに、
先人たちの大いなる知恵を平等に享受してほしいと節に願っています。