2010年9月15日水曜日

いわきの謡隊

いわきは福島県です。
以前の市町村合併で、とても大きな町になりました。

ここではこども謡隊が昨年より始まりました。
いわきの最大の特徴は、人数が多い!
こちらとしては大変嬉しい限りです。

普段のお稽古は、平といういわきの中心となる地区で実施していますが、
車社会とはいえ、常磐道のインターを2つも3つも乗り越えて、
わざわざお子さん連れていらしてくださる方々が、
結構な人数いらっしゃるので、始めはびっくりしました。
熱心な親御さんが多いという印象があります。
そうしますと、こちらといたしましても、俄然ヤル気がでます。

「教育」とは?
謡隊の教えの中でよく出てくるお話の一つです。
「教え、育つ」
教える側、育つ側、両者がいないと成り立たず、
植物が育つのと同じく、育つ力は本来備わっている。
どの様な養分を与えるかで、できる作物が違ってくる。
いい教え、いい導きがこどもには必要である。

ここで大事なことは、「教わる」とは受け身ではだめですよ、
ということ。
そして、こどもには必ず教えが必要ですよ、
ということ。
当たり前のことですが、順序が大事です。
きちんと教えないと、きちんと育たない
ということです。

まずは家庭から。
親の教えはそのこどもが親になった時にわかってくれればいい。
「いつかわかる」
そのぐらいの構えで、尚且つ一生懸命に。
きっときちんと育ってくれます。

今年のいわきの発表は、
スペシャルゲストとのコラボレーション企画!といわきの地域文化の掘り起しを、
継続していく上で併せてやっていきたいと考えています。

2010年9月2日木曜日

in 小布施

「小布施町」 おぶせまち
ここにはとびっきりの子どもたちがいます。
長野県、北信地方、小布施町。
北斎と栗と花のまち! 小さな町ですが、素敵な町です。

現在、年少から小学6年生までの子どもたちが、
「おぶせ・こども能」なる名称で、バリバリ「謡」をうたいこなします。
その姿は大人顔負け!

もともと小布施のある北信地方は、謡の盛んな土地です。
松代藩が発祥と言われる『お肴謡』と呼ばれるものがあります。
通称「北信流」とも呼ばれます。
どういうものかというと・・・
宴席で中締めに行われる儀式です。
その日に尽力した、またはお客様に対して主催者側が感謝の気持ちを表すために
謡とともに、盃を差し上げます。
それを受けた客は謡とともに謡を返盃するというものですが、
この時に披露する謡をかっこよく!うたうことがステータスです。
例えベロベロに酔っ払っていたとしても、どんなに宴会がエキサイトしていたとしても!
お肴謡が始まると、一瞬にして厳かな雰囲気になり、神妙な面持ちとなります。

宴席で謡うのがカッコイイ!
酔ってきちっと謡うのは、実は結構キツイらしいです。。。

「おもてなし」「思いやり」がお肴謡の大事な心。
小布施では謡隊のコンセプトと、北信流の精神との絶妙なマッチング、
そして、この町に欠かせない農業が一つの軸となって
地域独自の文化が再生しつつ産声もあげています。

子どもたちは着々とレパトリーを増やしながら、
年一回の町の芸能際で発表しています。
昨年は静岡で実施された国民文化祭にも出演しました。